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Photo bymarket_osaka

詩241「誠実の実」

    誠実の実を食べました
    ひとつ ふたつ みっつ
    けれど、誠実になれません

    誠実の実を食べ続けました
    一か月 二か月 三か月
    それでも、誠実にはなれません

    誠実の実を一年間食べ続けないと
    誠実にはなれないそうです
    けれど
    誠実の実は思いのほか高く 
    間もなくお金が底をつきます

    誠実の実を一年間食べれば誠実になれる
    と動画で語っていた主宰者が捕まりました
    ネットニュースで流れています

    誠実の実は何の実だったのか
    教えて欲しいけれど
    主謀者は捕まってしまいました

    私は騙されていたのです
    それでも残った誠実の実を食べます
    意外と美味しいのです 香ばしくて少し甘い

    不誠実な人はあちらこちらで詐欺を働き
    誠実な人を騙してお金を儲けたそうです

    誠実の実を食べなくても
    私は私が誠実だったことを知りました

    不誠実な人には誠実な人が見分けられるのに
    誠実な人は不誠実な人を見分けられない

    誠実の実は美味しい
    たぶん 不誠実の実はもっと美味しいのでしょう

    買うお金も
    食べる勇気もないけれど

     
     
    コロナ禍以降、50歳を過ぎてから詩を書き始めました。 日本現代詩人会会員。ネット詩誌『MY DEAR』同人。詩誌『冊』同人。

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