スカジャン


スカジャンとは、光沢のある化繊の繻子織りで作られ、背中に大型で派手な刺繍が施されているスタジャンに似た形状のジャケット。
第二次世界大戦後に、日本を占領する連合国軍として横須賀周辺に駐留したアメリカ軍兵士たちが刺繍の入った服を土産品としたのが始まりとされ(諸説あり)、日本発祥の洋服といわれることもある。現在では日本土産の用途を離れ幅広い年代に愛用されている。
概要
[編集]太平洋戦争後間もないころ、横須賀米軍基地で日本駐留のアメリカ軍兵士達が記念として鷲・虎・龍などのオリエンタル柄や、自分の所属していた部隊や基地などのエンブレムをデザインした刺繍をテーラーショップにオーダーしたのが始まりと言われている。
兵士たちは当初、軍服にデザイン刺繡を施していたが、規則違反により禁止されたことから、オーダーメードのジャケットになっていった[1]。
当時の生産は、繊維業が集積しジャケット生産と刺繍の技術がそろっていた群馬県桐生市で主に行われており、11万着の注文を受けたという桐生の業者の記録が1955年頃の新聞で確認できる[1]。
米兵たちの間では「スーベニアジャケット(souvenir jacket)」、または「海外服務(tour)」に由来する「ツアージャケット(tour jacket)」などの呼び方で親しまれていたが、1960年代ごろから「スカジャン」と呼ばれるようになった。由来については以下の2つの説がある。
- 「横須賀ジャンパー」の略。
- 横須賀のジャンパーによくスカイドラゴンの刺繍が施されていたことから、スカイドラゴンジャンパーの略。
なお、定番である鳥の刺繍は、鷲なのか鷹なのかで議論になることもあるが、横須賀の老舗ショップでは一般的に「鷹」と呼ぶ。
また、ジャンパー本体が黒やグリーン一色であり、ミリタリー調になったスーベニールジャケットのことを「ベトジャン(ベトナムジャンパー)」と呼ぶ。
生地
[編集]スカジャンには「サテン」と「別珍」という二つの生地が使われることが主流である。サテンには、レーヨン、アセテート、ポリエステル等がある。シルクが使われているものもある。
防寒性を高めたスカジャンによく使われるキルティングは、スカジャンを作るときの材料不足を補うための苦肉の策から生まれた。シルクと同じように当時は綿も豊富になかったので紡績工場などから出る綿くずを固めて足りない分の綿を補ったのだが、これでは真綿のように絡み合うことがないため、着ているうちにどんどん下の方に中身が落ちてゆく。それを防ぐためにダウンジャケット同様のキルティングが採用された。
脚注
[編集]- 1 2 Inc, Nikkei (2026年1月8日). “スカジャンの源流に群馬・桐生 スタートは米兵お土産品”. 日本経済新聞. 2026年1月9日閲覧。