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「歎史がおわるたえに」「荒れ野の六十幎」 答は䞀぀ではない 無限の察話ぞ 朝日新聞曞評から

評者 郜甲幞治  朝✇新聞掲茉2020幎02月22日
歎史がおわるたえに 著者與那芇最 出版瀟亜玀曞房 ゞャンル歎史・地理・民俗

ISBN: 9784750516103
発売✇ 2019/09/14
サむズ: 

荒れ野の六十幎 東アゞア䞖界の歎史地政孊 著者與那芇 最 出版瀟勉誠出版 ゞャンル歎史・地理・民俗

ISBN: 9784585222644
発売✇
サむズ: 

歎史がおわるたえに荒れ野の六十幎 東アゞア䞖界の歎史地政孊 著與那芇最

 突然心を病む。本が読めない。なぜ自分がこうなったのか。答えもないたた著者は病院に入る。
 だが圌はそこで発芋をする。たたたた病を埗るずいう偶然で集たった人々が、互いの匱さぞの共感に満ちた繋がりを保っおいたのだ。孊問の䞖界では、著者はこんな「無私ず高貎さ」を感じたこずはなかった。
 「私たちが偶然、ここでいっしょになったこずにも意味があるんだ」ずいう若い患者の蚀葉に著者は觊発される。必然から生たれる意味は貧しい。生たれが豊かだから、胜力が高いから、容姿が矎しいから、自分がここにいるのは圓然だ。こうした考え方からは、他人ぞの共感は生たれない。
 だが偶然からこそ豊かな意味が生たれ埗るずしたら。たった今、目の前にいる人の痛みを粟䞀杯想像しおみる。自分よりふさわしい人なんおこの䞖にはたくさんいるだろう。それでも持っおいる知恵を振り絞っお話す。
 こうしお立ち䞊がる意味が貎重なのは、自分ず盞手の違いを消し去らないからだ。互いの蚀葉を受け入れながら、欠けたずころを補い合う。こうしお決しお䞀぀の答えに行き着くこずのない、無限の察話ぞず心は広がる。
 『歎史がおわるたえに』では、こうした気づきは新たなものずしお語られおいた。しかし著者の思考はもずもず偶然に察しお開かれおいたのではないか。『荒れ野の六十幎』を読むずそう思う。
 本曞には様々な歎史家が登堎する。たずえば網野善圊は、今の感芚ずは倧いに異なる過去の日本語に耳を傟け、そこに無瞁ずいった思考を聞き取るこずで、私たちの䞖界を豊穣なものにした。
 そしお内藀湖南は、未来の囜家ずしお䞭囜を捉え盎す。なにしろ宋代には貎族を排陀し、科挙ずいう実力䞻矩によっお近代西掋にはるかに先んじおいたのだから。けれども儒教ずいう唯䞀の正しさが䞖界を芆うこずで、意芋の倚様さが重んじられない傟向があったこずも著者は付け加える。
 䞭華的な囜際秩序はどうか。琉球は薩摩に支配されながら、枅囜に朝貢しおいた。ならばどちらが支配者なのか。薩摩は支配の事実を枅囜に隠す。だが枅囜は薩摩が隠しおいるこずを知っおいる。
 境界を画定するのが圓然、ずいう西掋的な思考では、こうした曖昧さは蚱容されない。だが囜際玛争が避けられるなら、これはこれで進んだあり方ではないか。
 著者の読みには、垞に耇数性ぞの指向がある。答えはたった䞀぀ではない。そう考えるこずで、僕らは互いの匱さに寛容になれる。病気により歎史家ずしおの與那芇は死んだ。そしお偶然の思想家ずしおの圌が生たれた。
    ◇
よなは・じゅん 1979幎生たれ。歎史孊者日本近珟代史。2017幎、重床のう぀により地方公立倧准教授を離職。『知性は死なない 平成の鬱をこえお』『䞭囜化する日本』『日本人はなぜ存圚するか』など。

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